X(旧Twitter)で議論を呼んだこの話題。
採用担当者に3月22日に届いたメール。
「他の会社にご縁を感じたので、 貴社には入社できません。 申し訳ありません」
企業の採用部門は肝を冷やしたことだろう。企業は少なからず採用人数にもノルマがあり、担当者は評価にもつながる。
この投稿を読んだ人からは、「別にメール一本で内定辞退してもよいだろう」といった声や「メール一通で志望者を落とすくせに、メール一通で内定辞退されたらブチ切れる企業側」など、様々な反応があった。
そういう筆者も、転職を経験したうちの1人だ。
社会人経験のある人間であれば、下記の言葉を一度は聞いたことがあるはずだ。
バッドニュースほど早く報告するべき。
学生でも聞いたことがある人もいるだろうし、頭では理解している人もいるかもしれない。
しかし、このバッドニュースの報告を後回しにしてしまって痛い目を見た経験が、実体験としてあるのとないのでは、言葉の厚みが大きく異なる。
厳しい社会を生き抜いている人は、顎が外れるくらい頷いてくれていることだろう。
上記のツイートの内定者が中途採用なのか新卒採用なのかは不明だが、今後長く仕事をする上で、上記の心得は非常に大事だ。
今回に限って言えば、内定を貰っていた他の会社に行くことに決めた様子だが、もう少し早く報告するか、辞退した会社の採用担当者に不安要素を率直に相談することもできたかもしれない。(どうせ辞退するのなら)
内定者はもう少し早く報告しても良かったのではないかと思う。
労働者が働く会社を吟味する傾向は最近になってより顕著になってきた。
今の若手は(私も含めて)、将来に対して大きな不安を抱えている。年金問題や終身雇用の崩壊などがそのうちの一つだ。
加えて、SNSが普及した事によって他社の待遇が知れ、学生時代の友人の幸せな暮らしが、スマホを開けばすぐに知ることができる。
もしかすると、
「内定者が不安を感じている事に気が付かなかった採用担当の責任だ。」
という声もあるかもしれないが、こればかりは本音と建前があるので答えを出す事は難しい。
よく外交の世界では、こういった表現が使われる。
【右手で握手しながら、左手で殴り合う】
内定者と採用担当者の関係にも少しばかり似た部分があるように思う。
採用されるかどうかが最も重要であることを考えると、採用”される側”は悪い顔一つできない。
しかし、腹の奥で何を考えているのかは知りたい。
メールで連絡してきたという部分には大きな問題はないように思う。
「面と向かって伝えるべき」と強く訴える人間は「面と向かって文句の一つでも言いたかった。」と言いたいことが考えられる。事実を報告するのに、連絡の方法は大きな問題ではない。
(もちろん、緊急事態にメールよりは電話がいいと思う。)
明日から4月1日で、新天地で頑張る社会人一年目の方も多いだろう。
とにかく長く働くことを考えて、いい会社に転職することも視野にいれてスキルを高めて、頑張ってほしい。